不動産売却と成年後見制度

子どもと、夫婦、老夫婦

高齢化社会が深刻化する中で、不動産売却にも「成年後見制度」によるものが増えています。成年後見制度とは、判断能力に支障が出た、もしくは将来的にそうなってしまった場合に、財産の管理や契約などの法律行為を代理する人間を立てる制度です。主に不動産売却の場面に特化して見ていきます。

成年後見制度が利用されている背景

成年後見制度は、2,000年4月にイギリスの「持続的代理権授与法」を参考に制定されました。2,025年の日本では、75歳以上の後期高齢者は約2,170万人にも上ると言われています。それに伴い、高齢者の所有不動産を含む、財産の管理・処分に関しては、成年後見制度を利用した手続きが益々増加するでしょう。

不動産売却に関して言えば、被後見人の生活費や医療費、介護費用などの充当を目的として、代理人が行うケースがもっとも多いようです。もちろん、こうした手続きは通常、財産の所有者にしか行うことはできません。ですから、成年後見制度を利用するわけです。

ただ、成年後見制度は被後見人の判断能力に応じて、代理人が行える法律行為が変わってきます。次のパートでは、その辺りの概要について詳しくお話していきたいと思います。

成年後見制度の概要

成年後見制度は民法に規定されている制度です。

民法第7条に、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる」とあります。

そして、第8条には「後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する」とあります。つまり、「事理を弁識する能力を欠く常況にある者」を成年被後見人と称し、成年後見人を付けるのです。

以下、第11条、第12条で被保佐人と保佐人を、第15条、第16条で被補助人と補助人を規定しています。被保佐人は「事理を弁識する能力が著しく不十分である者」であり、補助人は「事理を弁識する能力が不十分である者」です。

この被後見人・被保佐人・被補助人に該当する人は、「制限行為能力者」と呼ばれ、自ら行える法律行為に制限が設けられていますが、事理を弁識する能力を「欠く常況」か「著しく不十分」か「不十分」かの違いがあり、後者になるほど制限の内容も緩やかになっています。以下はそれぞれの特徴をまとめたものになります。

  1. 後見
  2. 非成年後見人:判断能力に著しく欠ける重度の知的障害及び精神障害者

    成年後見人:あらゆる契約・行為について代理ができる

  3. 補佐
  4. 被補助人:判断能力に若干欠ける知的障害及び精神障害者

    保佐人:重要な行為について被保佐人がした行為を取り消すことができる

  5. 補助
  6. 被補助人:判断能力にほぼ問題のない軽い知的障害及び精神障害者

    補助人:不動産を売却する場合など一定の行為のみ代理できる

このように、成年後見人、保佐人、補助人は本人の利益を考慮の上、認められた権限の範囲で代理、同意、取消を行います。これら後見・補佐・補助という支援を総称し、「法定後見制度」と呼びます。

任意後見制度とは何か

成年後見制度には、「任意後見制度」というもう一つの選択肢もあります。

これは、先ほどの法定後見制度が、現在の事象に対する代理行為であるという事に対し、被後見人の判断能力が将来的に不十分になった場合の代理行為を約束する契約です。

予め、公証人役場で校正証明書を作成し、信頼のおける人間(家族・友人・弁護士など)と任意後見契約を締結しておきます。実際、被任意後見人に認知症の症状が見られるようになれば、不動産の管理を始めとした財産の管理などを任意後見人が担当するわけです。

いざ不動産の売却が必要になったときに、実は本人に判断能力がなくなっていたというのが一番困ることでしょう。そのため、本人の利益のためにも家族のためにも状況に応じて早めに後見制度の利用を考えるべきかも知れません。

自由な人選が可能なため、事前に後見人を指名できる任意後見制度の需要は日を追うごとに高まってきています。

成年後見制度の利用者数は、高齢者の増加とともに、年々増えています。人生のうちに、この手続きを経験される方も少なくないと思いますから、今のうちにしっかりと知識をつけておきたいものです。

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